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鈴土 知明; 山口 正剛; 長谷川 晃*
Journal of Nuclear Materials, 467(Part 1), p.418 - 423, 2015/12
被引用回数:45 パーセンタイル:96.88(Materials Science, Multidisciplinary)タングステンは将来の核融合炉のプラズマ対向被覆材として期待されている。しかしながら、材料を硬化させる照射誘起析出の発生が実用化に向けて課題とされている。照射誘起析出現象の出現を精度良く予測するには、レニウムやオスミウム等の照射下で核変換反応より生成される溶質原子の運動を把握することが重要である。本論文では、我々はアトミックキネティックモンテカルロ法を用いてこれらの溶質原子の運動を計算機シミュレーションより解析した。なお、溶質原子はタングステンと混合ダンベルを作っていると仮定した。解析の結果、回転障壁エネルギーが低いためこれらの混合ダンベルは3次元運動になり、その障壁エネルギーが拡散係数に大きく影響することがわかった。また、それらの3次元運動は空孔等の球状の欠陥の運動のような単純な運動モデルに帰結することができないことがわかった。
若井 栄一; 菱沼 章道; 三輪 幸夫; 大内 朝男*; 磯崎 誠一*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(1), p.136 - 140, 2000/01
高純度Fe-(9-50%)Cr及びFe-50Cr-(0-8)W合金の引張特性に対して中性子照射の効果を調べた。これらの合金はSS-3タイプの形状の引張試験片にし、加工層を取り除いた後に、原子炉(JRR-3M)において、400、500、600Cの3温度で約0.4dpaの弾き出し損傷量まで照射された。照射後、多くの試験の場合、照射と同じ温度で、真空中にて4.410sの引張速度で引張試験を行った。この照射によって、これらの合金の降状強度と引張強度は増加した。また、照射によるそれらの強度の増分はこれらに添加したクロム量及びタングステン量の増加に伴い、大きくなる傾向になった。これらの合金の引張特性は多くの場合、延性的な挙動を示したが、500C以下で照射されたFe-50CrとFe-50Cr-W合金においてのみ、それらの引張試験において、延性が生じないまま、脆性破断が生じた。これらの合金の引張特性は脆性的な挙動を示した温度及びクロム量の領域が状態図における約500C以下での脆性領域に非常に近いことから、照射によって形成される'相と格子間型転位ループに密接に関係していると考えられる
浜田 省三; 稲積 透*; 佐藤 馨*; 菱沼 章道; 幸野 豊*; 香山 晃*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.458 - 463, 1994/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.86(Materials Science, Multidisciplinary)高温水中で優れた耐食性をもつ/2相ステンレス鋼の照射下での微細組織変化を明らかにした。2.5wt%Moを含む/2相ステンレス鋼(含有率:~40%)を東大のHITを用いて4MeVのNiイオンを10dpaまで照射した。照射試料はCross-Section法ならびにBack-thinning法によって薄膜とし、FEG-TEMで観察を行った。オーステナイト相では高密度の転位ループならびに稀に小さなボイドが観察された。一方、フェライト相では照射損傷領域でX相が観察され、ボイドはなかった。このX相の組成ならびに格子定数は今まで報告されているものと比べ、NiおよびSiが富化しており、格子定数は小さかった。これは、フェライト相の化学組成と大いに関係があると考えられる。このX相は照射誘起したものと考えられる。
白石 健介
日本原子力学会誌, 25(8), p.617 - 621, 1983/00
被引用回数:3 パーセンタイル:44.31(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケット構造第一壁材料として研究開発を進めている改良ステンレス鋼は、高速増殖炉の燃料集合体材料としての使用実績及びその開発研究を基に、316ステンレス鋼を改良したものである。核融合炉における照射条件は、高速増殖炉より厳しいもので、316ステンレス鋼の材料データが外挿できる範囲でオーステナイト相が安定になるような組成にし、0.25%のTiを添加した試料について、材料の基本特性に関する試験を終え、改良ステンレス鋼は少くとも316ステンレス鋼と同程度に性能をもっていることを確めた。現在、PCAの溶接に関する試験のほか、耐応力腐食割れ性がよい材料と比較して、冷却水との共存性に関する試験及び高温疲労特性に関する試験を行っている。改良ステンレス鋼の中性子照射試験は、まずHeの影響を調べることを目的に、日米共同照射試験として、HFIR及びORRを利用して実施する計画である。
白石 健介
高温学会誌, 6(5), p.179 - 186, 1980/00
軽水炉の材料の照射損傷の評価は材料試験炉を利用した加速試験によって容易に実施することが出来る。高速増殖炉の炉心材料については、中性子照射以外の方法によって加速試験を行わなくてはならない。加速器を用いた重イオン照射は、高速炉の炉心材料の中性子照射の模擬試験として大きな成果を上げてきた。すなわち、高速炉の炉心材料のスエリングの機構が明らかにされ、スエリングによる寸法変化を少なくするための対策も立てられるようになってきた。しかし、長い耐久寿命を期待するならば、照射によって誘起される析出物のスエリングに及ぼす効果について、検討を要する。炉心材料の照射脆化については加速器を利用した重イオン照射の実験はそれほど有効ではない。高速増殖炉の炉心材料の機械的性質の変化や核融合炉材料の中性子照射一般については、照射損傷の本質を理解するための基礎的な研究のほかに、加速度試験の方法そのものを工夫することが必要である。
鈴土 知明; 長谷川 晃*
no journal, ,
核融合材料の候補材として注目されているWでは、中性子照射下で核変換元素としてReやOsが生成される。これらの不純物は固溶限界以下でも照射によって析出する、すなわち照射誘起析出(RIP)を発生させることが知られている。RIP発生には溶質元素の拡散が不可欠であるが、本研究では第一原理計算手法を用いてW中の溶質元素の拡散様式を明らかにした。ReやOsは混合ダンベルを形成し非常に回転しやすく3次元運動になることがわかった。格子間原子の3次元運動は空孔との再結合を促進させるので、ReやOsをWに添加するとキャビティ形成が抑制されるとういう実験結果とも合致した。
鈴土 知明; 長谷川 晃*
no journal, ,
タングステンは将来の核融合炉のプラズマ対向被覆材として期待されている。しかしながら、材料を硬化させる照射誘起析出の発生が実用化に向けて課題とされている。照射誘起析出現象の出現を精度よく予測するには、レニウムやオスミウム等の照射下で核変換反応より生成される溶質原子の運動を把握することが重要である。本発表では、我々はアトミックキネティックモンテカルロ法を用いてこれらの溶質原子の運動を計算機シミュレーションより解析した。なお、溶質原子はタングステンと混合ダンベルを作っていると仮定した。解析の結果、回転障壁エネルギーが低いためこれらの混合ダンベルは3次元運動になり、その障壁エネルギーが拡散係数に大きく影響することがわかった。また、それらの3次元運動は空孔等の球状の欠陥の運動のような単純な運動モデルに帰結することができないことがわかった。
鈴土 知明; 都留 智仁; 長谷川 晃*
no journal, ,
タングステン材は将来のプラズマ対向材の有力な候補になっているが、照射誘起析出が発生し材料が硬化することが実用に向けての懸念材料になっている。タングステンの照射誘起析出現象を正確に予測するには、核変換によってタングステン材内に生成されるレニウムとオスミウムの安定性および移動性を知ることが重要になってくる。本研究では、第一原理計算手法とキネティックモンテカルロ法を用いて、これらの溶質元素の振る舞いを詳しく調査した。その結果、照射で弾き出されたタングステン原子は初め一次元運動するが、すぐに溶質原子と結合し混合ダンベルを形成し溶質原子を移動させることがわかった。また、その時の移動次元も3次元に変化することがわかった。
鈴土 知明; 都留 智仁
no journal, ,
中性子照射下のタングステン(W)では、レニウム(Re)およびオスミウム(Os)が核変換によって生成され、W結晶の溶質元素になる。このような合金では、SIAとRe(Os)原子が引き合うため、安定した混合ダンベルが現れる。これら2つの核変換元素の原子移動パターンを解析した結果、Re(またはOs)とW原子で構成される混合ダンベルが分離し、Re(またはOs)が隣接サイトに原子が別の混合ダンベルを形成されることを示した。これらの混合ダンベルの回転は容易なため、これらの溶質元素は、ジャンプと回転イベントを繰り返すことで長距離を移動することができると考えられる。